K-ras阻害剤の研究が進展、Pan-Kras阻害剤の開発に成功(AASJ)

from AASJ

K-ras遺伝子の変異は、多くのがんに見られるが、これまでK-rasを阻害する薬剤の開発は困難だった。しかし、2015年にG12C変異に対する化合物が発見されたことで、K-ras阻害剤の研究が進展した。

今回、スローンケッタリングガン研究所とベーリンガーインゲルハイムが共同で開発したPan-Kras阻害剤は、K-rasと化合物間の共有結合が必要なく、K-rasの様々な変異に対しても一定の効果があることが明らかになった。化合物BI-0474からシステイン結合に必要な部分を除去して開発されたBI-2865は、G12Cだけでなく、他の変異にも同じ親和性で結合し機能を阻害できる。しかし、HrasやNrasとはほとんど結合しないため、耐性の出やすい治療になる可能性がある。

阻害実験では、この阻害剤がGDPが結合したオフ型分子と結合し、移植ガンの体内増殖を抑制することが示された。Pan-Kras阻害剤の開発が可能になったことで、ras阻害剤の研究が再活性化された。


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