from AASJ
この記事は、昆虫食が蛋白質源としてサルの脳の進化に関与する可能性があるという話題から始まります。特に、オランウータンには存在せず、ゴリラから人間まで存在するアルコールデハイドロゲナーゼ4という酵素について言及されています。この酵素は、類人猿が地上に降りる機会が増えると、昆虫を含む熟した果物を食べるようになり、脳の進化に寄与した可能性があるという仮説が示されています。
その後、ワシントン大学から発表された面白い論文について説明されています。この論文では、昆虫食に含まれるキチンの摂取が胃の免疫システムに影響を与え、適応を促進することが示されています。具体的には、キチンの摂取によりILC2細胞が活性化され、炎症が引き起こされることが明らかになりました。また、キチンの摂取は胃を膨満させ、胃のタフト細胞からILC2刺激因子が分泌され、炎症が誘導されることも明らかになりました。
さらに、キチンの摂取は胃の上皮の発達や腸の長さの増加、ニューロペプチドの分泌促進などの効果も示されています。また、高脂肪食との組み合わせでは、昆虫食がインシュリン感受性を改善することも示されました。
この研究の結果から、昆虫食への適応としてキチン分解酵素の誘導システムが形成されることが示唆されています。しかし、キチン摂取による炎症やアレルギーの副作用については、まだ解明されていないため、今後の研究が待たれます。
最後に、昆虫食は通常の食事とは異なる効果を持つことがわかったが、炎症が起こっても大丈夫かどうかについては、昆虫食を続けている人々の疫学調査が必要であると述べられています。
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