from AASJ
この記事は、無菌マウスが一般的に太らないことが知られており、細菌叢が我々のカロリー摂取を高めていることを説明しています。細菌叢は植物繊維を脂肪酸に変えてくれるし、腸上皮での脂肪摂取も高めてくれることが知られています。
この研究では、無菌マウスと通常のマウスの遺伝子発現を比較し、Snhg9遺伝子が細菌叢の形成によって発現が低下することを発見しました。Snhg9は翻訳される遺伝子ではなく、長鎖ノンコーディングRNAと呼ばれるRNAの一種です。Snhg9はCCAR2と結合し、SIRT1の活性を上昇させることが明らかにされました。Snhg9の発現によってPPARγの発現が抑えられ、脂肪代謝が低下することが確認されました。
さらに、Snhg9を過剰発現するマウスでは脂肪の吸収が抑えられ、高脂肪食を摂取しても体重の増加や代謝異常が起こらないことが確認されました。この研究は、細菌叢が脂肪代謝に影響を与えるメカニズムを解明し、ホストと細菌叢の相互作用に関わる３型自然リンパ球が関与していることを示しています。
ただし、この現象が人間にも存在するのか、また無菌条件でSnhg9が発現して脂肪代謝を抑える理由はまだ解明されていないため、さらなる研究が必要です。
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