from AASJ
この記事は、臨床研究の3つの論文についてのまとめです。最初の論文は、イタリアトリノ大学からのもので、通常の治療に反応しないループス腎炎に対する抗CD38抗体治療の第一相治験です。この研究では、CD38抗体のみの治療を行った6人のループス腎炎患者の経過を観察しました。結果として、治療応答性の悪い患者の多くで、抗DNA抗体や蛋白尿の量が減少し、一方で免疫を抑えるIL-10の濃度が上昇することがわかりました。副作用はほとんどなかったという結論が出ています。
次の論文は、脳卒中後のリハビリ中の患者において、小脳歯状核に深部電極を設置することで手の機能回復に効果があるかどうかを調べたものです。この研究では、電極を設置してから3ヶ月はリハビリのみで経過を見て、4ヶ月目からは電気刺激を取り入れました。その結果、電気刺激により回復が促進され、機能が保全されることがわかりました。さらに、脳のPET検査による代謝改善も見られたため、脳細胞の活性も高まっている可能性があります。
最後の論文は、閉経後の女性を対象とした調査研究で、砂糖入り飲料と肝臓ガンの関係を調べました。その結果、毎日1本以上の砂糖入り飲料を摂取していた女性では、肝臓ガンや肝硬変の発生率が2倍に達することがわかりました。一方、人工甘味料入り飲料では差がなかったため、肝臓疾患という点では人工甘味料入り飲料は許容できるという結論が出ています。
これらの研究結果は、ループス腎炎や脳卒中後のリハビリ、閉経後の女性の健康に関する重要な知見を提供しています。
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