from AASJ
この記事は、高血圧に伴う血管性認知症のメカニズムについての研究を紹介しています。通常、認知症といえばアルツハイマー病を思い浮かべますが、高血圧による血管性認知症も重要な問題であり、全体の2割以上を占めています。
この研究では、高血圧を持つマウスを用いて、高血圧が脳の血流量低下を引き起こすメカニズムを調査しました。このマウスでは、認知症の原因となる脳の血流量が15％減少していることが確認されました。さらに、小動脈の収縮も認められ、その原因として、カリウムチャンネルの活動低下が関与していることが分かりました。具体的には、小動脈周りの平滑筋が活性化されるカリウムチャンネルの活動が低下し、小動脈の持続的な収縮が引き起こされることが判明しました。
この研究は、血管生理学の観点から、BKチャンネルの活性化機構についての重要な知見を提供しています。ただし、この研究は分子の構造の変化ではなく、チャンネルの分布異常が原因であるため、治療法の開発は難しいとされています。
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