骨髄幹細胞への遺伝子デリバリーにおける新たな方法の検討(AASJ)

from AASJ

骨髄幹細胞の遺伝子治療は、CRISPR/Casによる遺伝子編集が登場してから、鎌形赤血球症の治療が注目されています。現在試みられている治療方法は、変異ヘモグロビンの代わりに胎児型ヘモグロビンを作らせる方法と、変異自体を組み換えやデアミナーゼを用いて正常化する方法です。しかし、これらの方法は体外で行われるため、自分の細胞でもう一度身体に戻すためには骨髄アブレーションが必要です。

この研究では、リピッドナノ粒子(LNP)に血液幹細胞に発現するc-Kitに対する抗体を結合させ、直接骨髄幹細胞に遺伝子を届ける方法を検討しています。この方法は、骨髄幹細胞が全てc-Kitを発現しているため、効果的であると考えられています。

実験では、LNPに抗体を結合させた場合、ほぼ全ての幹細胞に遺伝子を導入することができました。また、抗体を結合させたLNPは骨髄まで届き、静脈注射するだけで多くの血液細胞で遺伝子改変が可能でした。

さらに、試験管内で鎌形赤血球の遺伝子編集を行う実験も行われ、ほぼ100%の編集が可能であることが示されました。ただし、生体内での実験は行われていないため、効果の評価はまだです。

また、骨髄幹細胞を特異的に傷害するためにもう一つの目的でPUMA分子を使用した実験も行われましたが、肝臓や肺への毒性が問題となり、利用は難しい状況です。

今回の研究は、骨髄幹細胞への遺伝子デリバリーにおいて優れた方法であると考えられます。しかし、骨髄アブレーションの実験には、より骨髄幹細胞特異的な分子を見つける必要があります。


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