from AASJ
この論文では、小児期の免疫記憶の発達についての研究が紹介されています。研究では、亡くなった0歳から10歳までの子供の臓器移植ドナーから腸や肺、リンパ組織を摘出し、免疫記憶細胞の発達を調べました。その結果、肺や空腸において、最初の2年間で免疫記憶細胞が急速に増加し、3歳ぐらいでピークに達することがわかりました。
特に空腸では、1週間以内に記憶型のT細胞が増加し、2歳までのほぼ全てのT細胞が記憶型になっていました。一方、リンパ節や脾臓では免疫記憶細胞の発達が遅いことが分かりました。また、腸や肺での遺伝子発現の調査から、乳児期では自己再生型幹細胞の性質が維持されているが、その後成熟型の記憶T細胞にシフトしていくことがわかりました。
さらに、腸管では特にTh2型の記憶が発達しており、食品などに対するトレランスを誘導している可能性が示唆されました。これらの研究結果から、免疫記憶細胞は特に腸管で発達し成長することが明らかになりました。
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