RNAガイドによる新しい遺伝子編集システムの開発と真核細胞におけるRNAガイドDNA切断酵素の発見(AASJ)

from AASJ

CRISPR/Casなしでは考えられないほど重要な生命科学の一部となっているのが、RNAガイドによりCas分子をゲノムの特定の場所にリクルートできる技術です。この技術の進歩により、Cas9などの分子だけでなく、RNAを含む様々な標的を編集できるようになり、新しいCas活性を探す研究が進んでいます。

2021年には、TnpBという分子が特定され、RNAをガイドとして遺伝子を編集する分子の存在が確認され、研究が進展しました。さらに、東大・濡木さんの研究室によって解読されたTnpBの構造は、CRISPR/Casよりもよりコンパクトな遺伝子編集システムが可能であることが明らかにされました。

MITのBroad研究所からの論文では、TnpBに似た分子が真核細胞でも存在することが報告されています。この分子はRNAガイドを使用して遺伝子編集を行うことができ、その構造と機能が明らかにされました。

研究では、Fz分子と呼ばれる分子が特定され、真核生物や巨大ウイルスがコードすることが確認されました。TnpBやCas12などと比較しながら、これらの分子がRNAにガイドされるDNA切断酵素であることが構造的に確認されました。さらに、酵母のFz1分子に焦点を当てて、Fz1が切断するDNAの特異配列を認識するガイドとして働くノンコーディングRNAが存在することも確認されました。

これらの解析を元に、Fz1を用いて人間の細胞のゲノム編集が可能であることが示されました。また、Fz1蛋白質とガイド、TAM、標的DNAの構造解析が詳しく行われ、最もコンパクトで効率の高い遺伝子編集が可能なFz1が作成されました。

この研究の結果は非常に興味深く、特異性が高くオフターゲットの切断が少ないため、新しい遺伝子編集システムとして期待されています。また、真核細胞にRNAガイドDNA切断酵素が発見されたことは、ゲノム進化の理解にも重要な貢献をしています。


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