from AASJ
高分子をベースにした人工酵素の研究が進展しており、金属をトラップすることで予想外の酵素活性が得られることがわかっている。チューリッヒ工科大学の研究チームが鉄イオンを取り込んだβラクトグロブリンを使用し、アルコールをアセトンへと分解する酵素活性を持つことを発見した。
この研究は、アルコール中毒を防ぐ画期的な成果であり、アミロイド繊維を形成するβラクトグロブリンに鉄イオンを挿入することで、アルコールの分解を促進する効果があることが示された。実験では、この人工酵素を摂取したマウスでは血中アルコール濃度が半分程度に抑えられ、組織障害も全く起こらなかった。
従来の体内の酵素と比べて、この人工酵素はアルコールを有毒なアセトアルデヒドではなく無害なアセトンに分解するため、アルコールの影響を抑えることが可能である。しかし、この技術を利用する際には、適量のアルコールを楽しむ際にも影響が出る可能性があるため、注意が必要である。
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