from AASJ
毎日論文を読むと、生命科学の論文はタイトルだけでは内容がわからないものも多い。米国サンディエゴのaTyr Pharmaとスクリプス研究所からの論文は、タイトルからは内容が予想できない驚きの研究で、３月１２日にScience Translational Medicineに掲載された。
この研究では、ヒスチジンtRNA合成酵素のスプライスバリアントがNRP2と結合して肺の炎症と繊維化を改善することが示された。tRNA合成酵素は生命の基本システムであり、この研究ではHARSを例に取り、tRNA合成酵素が進化の過程で新しい機能を獲得する可能性を示唆している。
研究ではHARS-WHEPという分子が炎症を抑える作用があることが示され、サルコイドーシスによる肺線維症の治療法として期待されている。２０２３年にはHARS-WHEPの治験も予定されており、新しい治療法として期待されている。
この研究は、tRNA合成酵素の新たな側面を明らかにするだけでなく、臨床においても有用性が期待されている。
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