常染色体上の単一対立遺伝子性と免疫不全に関する研究(AASJ)

from AASJ

性染色体以外の染色体は常染色体と呼ばれ、通常2本ずつ存在します。教科書的には、両方の常染色体上の遺伝子は同じように発現するとされていますが、片方の染色体だけから遺伝子発現が見られる場合があり、これをmonoallelic(単一対立遺伝子性)遺伝子発現と呼びます。

この研究では、免疫不全に関わる突然変異をMGEの視点で調査し、MGEが遺伝的免疫疾患の浸透率を決定することが示されました。実際、遺伝的免疫不全に関わる遺伝子でMGEが高頻度に見られ、エピジェネティックな機構によって起こることが明らかにされました。

さらに、病気の表現を複雑にする例として、PLCγ2、JAK1、STAT1遺伝子変異の症例が考察されました。例えば、JAK1 GOF変異では自己免疫やアトピーになることがあり、症状のある人ではMGEが見られず、両方の染色体から遺伝子が発現していました。

この研究は、遺伝子診断で異常が見られても発症しないケースが多いことを示し、RNAの調査も重要であることを示しています。臨床での活用が期待される実践的な研究です。


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