from AASJ
自閉症のゲノム解析が進展し、神経回路形成に影響する状態が特定されています。2019年の研究では、自閉症神経細胞においてCPEB4という分子のエクソン4が欠損していることが判明しました。これにより、神経機能に関わる分子の翻訳が低下し、マウスで自閉症の症状が現れることが示されました。しかし、なぜエクソンの欠損が翻訳に影響を与えるのかは明らかにされていませんでした。
最新の研究では、CPEB4の小さなエクソンが相分離やタンパク質凝集に関与していることが明らかにされました。特定の標的分子がない場合、量の調節が重要であり、CPEB4の相分離がその役割を果たしていることが分かりました。さらに、エクソンの欠損が凝集体の形成を促進し、CPEB4の機能を抑制していることが示されました。
研究者は、この凝集体形成を阻害するペプチドを開発する可能性を示唆しています。これにより、神経症状がどのように引き起こされるのか、エクソンの欠損が翻訳にどのように影響するのかが明らかになりました。神経細胞における相分離やタンパク質凝集の視点から、今後の研究が重要とされています。
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