from AASJ
多発性嚢胞腎は、遺伝的な変異によって腎臓に嚢胞が形成され、進行すると腎不全に至る疾患で、日本では約3万人の患者がいます。現在は遺伝子診断が可能ですが、治療法は限られています。
しかし、患者のiPS細胞から作られた腎臓オルガノイドに嚢胞を形成する方法が開発され、これを使った創薬研究が進められています。シンガポール南洋理工大学の研究では、iPS細胞を用いた嚢胞形成の解析を行い、薬剤スクリーニングの結果、ミノキシジルが嚢胞形成を抑える可能性が示されました。
この研究はCell Stem Cellに掲載されました。さらに、オートファジーや繊毛などのメカニズムに焦点を当て、嚢胞形成を抑制する薬剤としてミノキシジルが注目されています。
実験では、ミノキシジルが嚢胞形成を抑える効果が確認され、将来的に多発性嚢胞腎の治療に応用できる可能性が示唆されています。
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