from AASJ
この記事は、ガンやウイルス感染によって引き起こされる免疫回避メカニズムについての研究を紹介しています。研究では、ガン細胞やウイルスによって抗原ペプチドが提示される細胞表面の組織適合性抗原であるクラス1MHC（MHCI）の発現が重要であることが示されています。しかし、コロナウイルスやガン細胞は、MHCIの発現を低下させることで免疫攻撃を回避する戦略を持っていることが知られています。
この研究では、ニューヨーク大学の研究チームが、ガンの免疫回避メカニズムに関与する分子を探索し、MHCIとガン抗原ペプチドを細胞表面からリソゾームへ移行させて分解する仕組みを明らかにしました。また、SUSD6とTMEM127という2つの分子が、MHCIの細胞表面発現に関与していることも発見されました。
さらに、SUSD6とTMEM127をノックダウンすることで、ガン細胞からMHCIの膜上発現が持続し、免疫攻撃を受けやすくなることが示されました。この結果から、MHCIと直接結合し、分解する分子の機能を阻害することで、ガン免疫を増強する可能性があるとされています。
しかし、具体的な治療方法についてはまだ解明されていないため、今後の研究が必要とされています。この研究結果は、ガン治療の新たな標的となる可能性があることを示しています。
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