スタンフォード大学、胃ガンの発生過程を再現することに成功（AASJ）

from AASJ

スタンフォード大学の研究チームは、胃ガンの発生過程を試験管内で２年以上にわたって再現することに成功し、６月８日号Natureに論文が掲載された。研究では、p53遺伝子をクリスパーで除去した後、胃のオルガノイド培養を続け、細胞にバーコードをつけて染色体変化が始まった各クローンの消長を追跡した。

その結果、p53喪失により胃ガンとの相関が知られているガン抑制遺伝子FHITやCDKN2Aなどが初期から中期に消失したクローンが増殖優位性を獲得することがわかった。さらに、上皮細胞の増殖を助けるドライバー遺伝子の発現が上昇したクローンが１００日前後に現れ、これがその後の発ガンの主役となることも分かった。

この研究は、胃ガン発生のメカニズムを詳しく解明することにつながると期待されている。

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