K-Ras阻害剤とIRE1α阻害剤の併用療法により耐性ガンの発生を抑制(AASJ)

from AASJ

アムジェンが開発したSotorasibをはじめとする変異Ras阻害剤の臨床応用が進んでいますが、単独治療では耐性ガンの発生が必須であることがわかってきました。そのため、Ras阻害剤の効果を長く続かせるための併用薬剤を見つけることが急務となっており、その研究が進んでいます。

この研究では、K-Ras阻害剤に対する耐性を持つガン細胞の合成蛋白質のクオリティーコントロール(proteostasis)を調べ、阻害剤処理によりクオリティーコントロールが異常となり、蛋白質が凝集することが耐性発生と関連していることを発見しました。また、蛋白質のクオリティーコントロールはIRE1αという経路を介して回復することもわかりました。

IRE1αはK-Ras下流のMAPK分子によって活性化され、蛋白質恒常性の維持に関与しています。阻害剤によってIRE1αが不安定になると、細胞ストレスが上昇し細胞が死に始めますが、他の代償経路によってIRE1αが正常化すると、K-Rasがなくてもガンが増殖できるようになります。

さらに、様々なチロシンキナーゼ受容体がIRE1αを安定化する経路が存在し、特異性の低いキナーゼ阻害剤を併用することでK-Ras阻害剤の効果を回復させることができます。しかし、特異性の低いキナーゼ阻害剤は副作用が強く、実際の治療には難しいです。

その代わり、IRE1α阻害剤であるORIN1001をK-Ras阻害剤と併用することで、K-Ras阻害剤治療に伴う耐性ガンの発生を完全に抑制することができました。ORIN1001は既に臨床応用のための治験が進んでいるため、この併用療法が治験へと進む可能性が高いと期待されています。


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