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希少な野生ブドウからのインスピレーション
植物分類学の専門家である星野教授は、2017年4月にOUSにブドウ栽培・醸造研究所を設立した。倉敷市の船尾ワイナリーとの共同研究の中で、岡山県の特定地域にしか生息しない絶滅危惧種の希少な野生種「シラガ」に興味を持った。この発見が、シラガとマスカット・オブ・アレキサンドリアを組み合わせることで、地元で育種されたオリジナルのワイン用ブドウを開発するアイデアに火をつけた。
このアイデアを実現するため、OUSは2018年2月、倉敷市および船尾ワイナリーと包括連携協定を締結した。この連携は、地域活性化と「地域資源のブランド化」に焦点を当てた国家的イニシアチブの一環となり、プロジェクトを科学的・文化的な取り組みとして位置づけた。
2022年度までに、チームはいくつかの実験的育種系統からワインを生産した。それぞれ、糖度、酸度、pH、総合的な味覚がテストされた。何年にもわたる改良の末、最も有望な系統が選ばれ、2024年に「マスカット・シラガイ」が正式に新品種として確立された。
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