from AASJ
糖尿病性網膜炎は、糖尿病患者によく見られる重篤な病気で、失明の原因になります。この病気では、毛細血管周囲にあるペリサイトが血管から離れ、バリア機能が損なわれることが重要な要因とされています。これにより、微小血管の新生が引き起こされ、抗VEGF治療が行われていますが、効果が限定されています。
最近、University College Londonの研究チームが、糖尿病性網膜症の発症を防ぐ可能性がある新しい研究を発表しました。彼らはマウスモデルでペリサイトの遊離を防ぐことに成功し、LRG1というタンパク質が糖尿病性網膜症の発症を引き起こす可能性があることを示しました。
LRG1は新しい炎症マーカーとして注目されており、糖尿病患者でも上昇することが知られています。研究では、LRG1の糖尿病性網膜症における役割を詳しく調べ、高血糖が続くと血管内皮のLRG1発現が上昇することを発見しました。
さらに、LRG1を阻害することで糖尿病性網膜症の発症を抑制できる可能性を示す実験も行われ、局所的なLRG1抑制が糖尿病性網膜症の予防に有効であることが示されました。これは大きな進展であり、網膜症状だけでなく他の血管の機能にも応用できる可能性があることを示しています。
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