高病原性鳥インフルエンザH5型ウイルスの地理的分布に大きな変化が示される(NatureAsia)

from NatureAsia

高病原性鳥インフルエンザH5型ウイルスの生態と進化に関する論文が、Natureに掲載されました。この研究により、H5型ウイルスの地理的分布に大きな変化が生じていることが示されました。これまでの研究では、このウイルスの発生中心地はアジアであるとされてきましたが、今回の研究からは、アフリカやヨーロッパの一部を含む新しい地域にも広がっている可能性が示唆されました。

H5N1型ウイルスは1996年に中国で発生し、その後、アジアを越えて拡大してきました。2021年以降、世界中で高病原性鳥インフルエンザH5N1型ウイルスの活動が活発化しており、野鳥や家禽の感染数や死亡数が増加している他、哺乳類(ヒトを含む)にとってもリスクとなっています。今回の研究では、国連食糧農業機関と国際獣疫事務局によって収集されたデータと1万点以上のウイルスのゲノム解析結果を用いて、H5型ウイルスのアウトブレイクの発生源と傾向について調査されました。その結果、2016年から2017年にかけて重要な再発生が起こったことが確認され、ゲノム解析によってH5型ウイルスの系統がアジアで出現したことが明らかになりました。一方、2020年から2022年にかけてアフリカとヨーロッパの鳥類集団で出現した2つの新しいH5型ウイルス系統は、アジアから他の大陸へ移動したという注目すべき変化を示しました。

研究者らは、これらのウイルス系統が病原性の低いウイルスと遺伝子再集合を起こし進化したことにより、野鳥集団における鳥インフルエンザの持続感染が増え、新たなウイルス株の進化と拡散が促進されていると考えています。この知見から、高病原性鳥インフルエンザの撲滅戦略が重要であり、ウイルスの進化を解明することが新たなウイルス株の出現を減らし、対応するために必要であることが示唆されています。


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