抗体のFc部分がガン治療を抑制する可能性が示唆される（AASJ）

from AASJ

この記事は、抗体のFc部分が抗原と結合するだけでなく、補体を活性化して細胞を溶かす機能を持ち、他のタンパク質よりも長く血中に存在できることを説明しています。しかし、Fc部分を認識する受容体の中には、ガン免疫を担う細胞の機能を抑制するものもあり、これが抗体によるガン治療を抑制する可能性が指摘されています。

しかし、エモリー大学の研究では、人間のCD8キラー細胞の一部にこの受容体が発現しており、ガン免疫効果を低下させていることを示しました。さらに、マウスを用いた実験でも同様の結果が得られ、FcγRIIBに対する抗体を投与することでチェックポイント治療の効果が高まることが明らかにされました。

ただし、ガンの種類や抗体の種類によって結果が異なる可能性があるため、必ずしもチェックポイント治療にこの抗体を組み合わせる必要はないとされています。将来的には、FcγRIIB刺激性の低い抗体を使用することで問題を解決できる可能性が示唆されています。

この研究により、チェックポイント治療の抗体自体ががん免疫を抑える可能性があることが明らかにされました。ただし、臨床的には解決可能で重大な問題ではないとされています。

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