from AASJ
人間は他の動物と比較して、長い成長期と長い生殖期後の生活が特徴的です。この特徴は、生物学的だけでなく文化的な観点からも研究が進められています。最も有名な文化的研究の一つは、フランスの歴史学者であるフリッ・アリエスによる「子供の誕生」です。この研究では、中世から近代にかけての子育ての歴史が分析されています。人類は誕生以来、子供を授乳期を超えて世話する必要があり、その結果、人間特有の特徴を獲得し、繁栄を遂げてきたと言われています。
最近、スイスチューリッヒ大学とフランスのヨーロッパシンクロトロン施設からの研究チームが、グルジアで発見された180万年前の直立原人、ドマニシ原人の歯の分析を行いました。この研究では、若い個体の歯を分析し、人間やサルの歯と比較して、成長過程を調査しました。その結果、ドマニシ原人の成長プロセスは、我々人間と非常によく似ていることが明らかになりました。この研究により、直立原人が人間の特徴を獲得していく過程が新たな証拠として示されました。
今後も歯の研究を通じて、人類の進化や特徴の獲得についての理解が深まることが期待されています。
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