from AASJ
ゲノムの半分以上はJUNK DNAと呼ばれるDNAで構成されており、トランスポゾンやレトロウイルスなどの役に立たないとされる要素が含まれています。しかし、最近の研究では、これらのトランスポゾンが様々な状況で役立っていることが示されています。例えば、妊娠中にトランスポゾンが活性化されることで造血幹細胞が増え、赤血球の生成が促進されることがわかりました。
研究では、妊娠中にエストロゲンが上昇することでトランスポゾンが活性化され、造血幹細胞の増殖が促進されるメカニズムが明らかにされました。さらに、トランスポゾンの活性化が造血と関連していることが示され、特に脾臓での造血において重要な役割を果たしていることが分かりました。
一方、トランスポゾンの活性化が炎症を引き起こすリスクもあることが指摘されており、DNA断片の逆転写が炎症を引き起こす経路も明らかにされています。さらに、1型インターフェロンの産生にも関連しており、インターフェロンの欠損が脾臓での造血を抑制することが実験で確認されています。この研究結果は、JUNK DNAと呼ばれる領域が実際に重要な生物学的機能を持っていることを示唆しています。
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